T.I.M.E.研究会10周年記念誌 挨拶文

1999年5月29日


ここでは、10周年記念誌に寄せられた和智会長、小川代表幹事、ドーニー名誉会長の挨拶文を掲載します。

TIME研究会の歴史と使命                           和智会長

10周年を迎えて                                         小川代表幹事

TIME研究会の皆様へ(邦文・英文)                ドーニー名誉会長

 

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和智会長(左)、ドーニー名誉会長(中央)      小川代表幹事

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TIME研究会の歴史と使命

  ―研究から普及へ―

会長  和智一郎

 TIME研究会は、新聞発表をして集まった有志により10年前新宿ヒルトンホテルで発会式を挙げました。

この会は、タイム・マネジメントを日本で普及させるために、私の友人でありコンサルタントだった小川兄と、ボブ・ドーニー氏と相談し、日本のシステム手帳のパイオニア的存在の奈良総一郎氏も仲間に入っていただき始めたものです。

その当時私は、その数年前からデイタイマーというシステム手帳を米国の友人から薦められ使い始めていました。それ以前に使っていたのは「能率手帳」、その後奈良総一郎氏の「システム手帳」でした。また丁度その頃日本で流行りだしたのが英国のシステム手帳の「ファイルファックス」でしたが、どれにも私は今一つ満足せずにいましたが、デイタイマーの製品群を支えるコンセプト、ソフトの方に大変魅力を感じたのでした。

デイタイマーを2〜3年使ってみて非常に優れた製品であることがわかり、どんな人がどんな考え、どんな動機で開発したのか、どうしても知りたくて、創立者のボブ・ドーニー社長に会いにペンシルバニア州の本社を尋ねました。ボブにお会いして分かったことは、この手帳はユニークなタイムマネジメントのコンセプトであること、また米国には約2,000人ものタイムマネジメントのコンサルタントがおり、全米各地でセミナーを開いたり、企業や個人のコンサルタント業務をしているほど普及しているとのことでした。また米国では一応ビジネスマンでデイタイマーを知らない人は先ず無く、3人に1人は実際に今も使っていることが分かりました。

 私は当時輸出専業の貿易会社を経営しており、年商30億円余り、日本に7人、米国サンディエゴに5人の社員でやっておりましたが、米国、韓国、香港、台湾、イギリス、フランスに代理店を設け、コンピュータ・電子部品のOEM輸出をやっていました。そして海外のセールスと日本のメーカーの新製品の開発等の交渉は全て私一人でやっていましたから、私はめちゃくちゃに忙しく、まさにタイムマネイジメントが必要な時でした。また円高の傾向が強くなりはじめ今後の輸出専業ではやっていけないと判断して手帳の輸入も始めた時でした。しかし一年もしないうちにドーニー氏が戦後直ぐに創立して子供のように育てた会社を離れることになり、私もドーニー氏がいないデイタイマーでは魅力が無く、販売権を返上しました。

 そしてTIME研究会も発足後、しばらくすると手帳に伴うタイム・マネジメントのみの研究から、次第に人生における価値観の研究に移っていきました。

  そうなった理由は次のようなものです。

         タイム・マネジメントとは:

1.時間とは出来事の連続である。

2.出来事を優先順位に基づいて、いかに取捨選択して効率よく自分のしたいことを こなしていくか、がタイム・マネジメントである。

3.優先順位を決めるためには自分の価値観を確立する。かけがえのない価値観を自分 自身のものとして確立することが必要である

4.その価値観の確立の方法を事細かに掘り下げていく手法をDTM(Doney’s Time management Methodドーニーズ・タイムマネジメント・メソッド)と名づけて、ドーニーさんと我々会員が研究してきた。

過去10年間に4回ドーニーさんのセミナーを開き、ドーニーさんをペンシルバニア州からお呼びして1回はサンディエゴ市で、3回は東京で行いました。 そのセミナーの後には必ずフォローアップをして、我々が更に、多様な価値観の追求の面や独自なDTMの開発に毎月の集まりを利用しています。

 毎月第一土曜日の午前中に幹事会を開き、隔月に一回スピーカーを決めて個性あるその人の人生観、価値観が分かる様々な話を聞いてきました。スピーカーは外部からもお呼びしましたが、研究会のメンバーも会のモットーである「立てば先生、座れば生徒」の通り、大いに個性的な研究発表とその後フリーなディスカッションをしてきました。

 この毎月の集まりは、集まる人の個性的な体験、人生観、希望、夢等を気軽にぶつけ合い、ユーモアとウィットとに溢れ、それぞれが高度なインテリジェンスと主張を持っていても、お互いの価値観を認め合いながら楽しむ人間研究、人生研究の交わりの会でもあります。

 またTIME研究会は小川、岩崎、佐藤、米岡の諸兄、また元NHKの番組編成局長であった香川さん等ユニークな個性とタレントを持つ、また、実社会でもそれぞれの分野で一流の仕事をしている主要メンバー(常任幹事と呼んでいます)にも恵まれました。

  ところで過去5年間、毎年テーマを決めて研究してまいりましたが、それらを振り返ってみます。

        それらテーマは:

1. 1994年:本物とは何か

2. 1995年:個の確立(基本テーマ)

3. 1996年:日本人を見直す

4. 1997年:バリューを求めて(価値基準の探求)

5. 1998年:価値ある情報、価値ある時間 〜私のタイムマネジメント〜

 これらのテーマはまさに今日の混迷の時代の日本人に最も必要なことではないでしょうか?

 私の持論ですが、「日本人の心は未だ封建鎖国時代の400年の呪縛から解き放たれていない」のではないでしょうか?そのために今の政治、経済、社会文化の国際化(グローバリゼイション)が必要な時代にいろいろな問題が発生しています。

即ち、日本は徳川幕府の鎖国から、開国して丁度130年、我々の殆どは日本が近代民主主義の経済大国になったと思っていますが、「仏作って魂入れず」の譬えのような国が日本ではないでしょうか?文明文化は根っ子(つまり近代民主主義の根本的原理とそれの基となる伝統的文化、価値観ないしは信仰)の部分は決して取り入れず突っ走って「和魂洋才」と言って輸入しました。もし伝統文化の価値観の中に未だ武士道があるとしたら、それは今国のリーダの中に、また国民の中のどこの誰が持っているのでしょうか?

また誰がそのような価値観の存在を教育し、伝えているのでしょうか?或いはそれに替わる価値観を教育の中で選択肢としても提供し、教えてくれるのでしょうか?タイム研究会には数名の大学生がいますが、彼らの感想では「大学ではDTMのようなことは教えてくれない」とのことです。

追いつけ追い越せで、形だけは近代化したように見えます。ところが、まさに生け花の切り花のように、根を切って花瓶に移しただけのため、130年経って終には生け花がこのままでは枯れてしまいそうなのです。つまり我が研究会が過去10年間に主要研究テーマとしたような事柄があらゆる分野で確立されていないために起ったのが、今日の日本全体のあらゆる面で問題になっているのではないでしょうか?

  具体的にいくつかの例を挙げれば、

1.真実、本当のことを知ることを最大の目的としない。そして人間の生きるのに必要な価値観を、そして人間としての個の確立を阻む文部省主導の画一的且つ統制的(或いは何も考えていない)教育制度、また受験戦争の害を知りながら一向に解決せず、その結果、高等教育(大学・大学院)を先進国中でも指折りの劣悪なものとした責任は、文部省とそれを許してきた我々日本人にある。(鎖国して真実を知らせない幕府、封建社会の特徴、またそれを牛耳る幕府に奴隷のように頭を下げ、本当は子供の教育には何が大切か考えられない、判断力ないし発言する勇気の無い親、封建時代の庶民の如き日本人)

 2.科学技術面でも商活動でもオリジナリティーを尊重しない、物まねを恥じとしない日本の伝統的社会文化。(世界のビジネスのモラルのスタンダードを知らない、知らせない鎖国の国の特徴)

 3.政治に置いても能力のはっきりしない、政治家を志す動機の不明確な、親の地盤を持つだけの二代目・三代目政治家が牛耳る。国のリーダとしての真の教養と肝心の国と人のために命を捧げるという大儀を持たない、権力欲と金を主なる目的とするとしか思えない貧しい人材。(世襲性を当たり前と思う封建社会の最大の特徴、それを許す封建時代のマインドから脱せない判断力と個の確立のない国民)

 4.多くの日本人はいくら海外旅行をしてもJALパックでしか世界を見ない、儲け主義のパックではいくら世界旅行をしても真実を自分の目でみないし、見させない。JALが最も事故率の高い飛行機会社なのに国が資本を持っているから安心だと盲信してしまう日本人、その忠実なタックスベイヤーたる国民にはチケットの安売りを殆どしないで、海外でのみ外国人に安売りする会社。KDDも世界で一番高い料金で海外通信を日本で独占的に扱う権利を得ている会社、その権利を守り利権に食らい付く族議員もテレビで見る江戸時代の悪代官そっくり。そう言えば、人の命を預るような厚生省も最も秀才の集まると言われていた大蔵省も、まさに悪代官の集まる巣窟のようになってしまった。そしてそれら多くの高級官僚が、最近立花隆氏が文芸春秋で発表した、「東大生湯飲茶碗論」のように判断力を養われず、教養を身に付けない、東大卒の肩書き、つまり肩書き・学閥と言うような、価値の無いいわば封建時代の遺物のようなもののみを身に着けて、大切な価値観(つまり哲学の勉強)の研究とそれに基づく個の確立無しに、世俗のエリート意識と人間の欲望のままに、常識的な礼儀とその辺の田舎のおじいさんやおばあさんさえ必ず持っている常識と良識さえ身に着けずに大学を出て、悪代官のようになってしまった。なんと嘆かわしいことでしょう。

 TIME研究会の今後の使命は我々の蓄積したDTMを基にしたTIME研究会のノウハウを更に充実していくと同時に、分かりやすい、使いやすい,安い、簡単なハードウエアーを造り出し、日本とアジアと、いや世界中の若者たちに普及させることではないでしょうか。

 なぜなら我々は、そして我々の子供や孫は、じいさんばあさんから(つまり先祖から)、正直で勤勉で、正しいことを教えられればそれを守り、くそ真面目に実行する心と丈夫な百姓の体を継承しているはずだから、単純明快なDTMは、正しく広めれば必ず誰にでも理解されると思うからです。

 だが何故か近年日本のリーダにはミスキャトが続き、その基には教育に根本的なものが欠けていたのではなかろうかと思います。その根本的に欠けたものは、ズバリ我がTIME研究会が特に最近5年間追求して止まなかった、真理を追究した結果得られる価値観と、それに基づく個の確立と、それを実行するテクニックであるDTMではなかろうか。

その意味では、今年春に、私が就任したナオス外語学院の校長は、世界中から希望に胸膨らませてくる若者たちにTIME研究会の神髄であるDTMを世界の若者に広くつたえるきっかけになるはずだと喜んでいます。

 また先日6年前に設立した先進的な21世紀の若者を目指し文部省の枠を出ようとしている私立大学の理事長にお会いしたところ、タイム・マネジメントに大変興味を示され、先生の大学で、生徒及び教職員にドーニー氏にDTMのセミナーをやってほしい、との依頼を受けています。このことをドーニー氏に最近伝えたところ、大変喜ばれ、いつでも来日するとのことです。

 最近のドーニー氏との数回のファックスでのやり取りの最後に、毎回必ず彼が私に諭すように、次のように言っています。

                 Remember, Wachi, Life  is  Good!

  我々が敬愛するドーニー名誉会長は70半ばにして、ますます大張り切りですよ。

 皆様はどうですか?

                Is  Your  Life  Good,  Too?

以上

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10周年を迎えて

代表幹事 小川知明

  「光陰矢のごとし」とは良く言ったものである。1988年にTIME研究会が発足し、最早10年の歳月が流れたのだ。その間世界中にウルトラ級の異変とも言うべき大異変が起きている。特に日本ではこれまでの経済(儲け主義)やブランド志向(地位や社名など)主体の構造が狂乱バブルの崩壊を契機に、まるで老朽化したビルディングのダイナマイト破壊のように一瞬の間に崩れ去ってしまった。

   「世界一犯罪の少ない安全な国」「使命感に燃えた官僚と政治の見事な連携」「絶対に倒産しない金融機関」「世界に冠たる生産技術大国」・・・これらはいずれも戦後の日本経済を成功に導いたキーワードである。しかし、この様な神話が次々と崩壊し、正しく日本の戦後経済の終焉を思わせた。日本の経済発展の構造は政治と官僚を主体に、表向きは自由経済社会を唱えながらも実のところは政策経済の中でコントロールされてきたのではないだろうか。それが政治家や特定階級の特権意識や、長いものには巻かれろといった組織依存型の常識的感情を生んでしまったのではなかろうか。

TIME研究会のロバート・ドーニー氏は敬虔なクリスチャンである。彼の基本的な信条は、国境を越え、文化を越え、性別、年齢を越えて、全ての人が(神の前に)平等であり、自己の尊厳を守りつつ互いに支え合うことに有ると言える。つまり、社会の変遷とは無関係に一貫した彼の生活信条や理念が「デイタイマー」という手帳を生み出し、アメリカンドリームを果たしたにも拘らず今もなお研究開発に取り組んでいる。これは正にお金や名誉という欲を遥かに越えたものであり、現代社会の葛藤に喘いでいる我々が真剣に学ばなければならないことであると思う。

発足以来今なお継続しているTIME研究会のメンバーは、皆がドーニーさんのこのような思想や生き方に共鳴して集まった仲間であるせいか、殆どの人はバブルに踊りもせず、また崩壊の影響も受けていない。会社を替わったり昇進して偉くなったりはしたが、その人そのもののイメージや行動は一貫して変わらない。これは10年間の歴史の中でお互いに育んできた自己の確立と相互支援の意識だったのではないだろうか。

この10年間、他界された人もいた、何年か休み久し振りにきた人もいた、思いがけなく去っていった人もいた。白髪も増え、髪も薄くなった、しかし会のイメージは全く変化を見せない。これが正しくTIME研究会の良いところではないだろうか。何年か振りであったとしても、いくら偉くなったとしても、いくら貧困に喘いでいたとしても、全く関係なく「今日は! お元気ですか」と言い合え、そして環境の違いや年齢、性別、国籍の違いを超越して、お互いが本音で人生を語り、学びあえる場、それがTIME研究会なのである。

  決して焦らず、決して奢らず、決して無理せず、それぞれの自己の確立と生き甲斐を感じあえる場として末永く継続したいと切望する。

以上

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TIME研究会の皆さんへ

 10周年記念おめでとうございます。

日本に初めて来たのがまるで昨日のように思えます。あの第1回の訪問の前、日本の文化を勉強し、日本人の仕事と勉強への情熱を尊敬するようになりました。その当時私はお互いの関係が今日のようにこれほど喜ばしく満足なものになるとは思っていませんでした。

  私はいまだに日本語を一言もしゃべれません。しかし我々は深い考えや将来への希望をお互いにコミュニケートできているように思います。私は皆さんが達成したこと、皆さんが与えた社会的影響を誇りに思っています。

  我々の人生の旅は常に海図のない海を航海するようなものです。我々は将来に何が起こるか予見できません。しかし、我々は不足しているものと必要とするものをどうやって見つけるかを学んで来ました。我々は人生の計画と目的を開発をし、それらをどうやって達成するかを学んで来ました。

  人生は素晴らしい。しかし、それは我々が素晴らしくしようとする時のみ、そのようになるのです。あなたの日々の働きとタイムマネージメントに対する模範が人生の旅路において他の人々に満足感と充足感を得させる助けになるのです。

 世界はますます小さくなりつつあります。そしてすべての人々が仲良く平和に生きることを学ばなければなりません。お互い助け合う必要があります。我々は神が我々が為すべく創りたもうた仕事をする必要があります。我々は我々の仲間自身の守り人です。そして我々が他の人のゴールの達成を助けるときのみ、我々の本当に必要とする幸せと喜びを見つけられるのではないでしょうか。

  もう一度申し上げます。10周年記念おめでとうございます。私が皆さんの成功の一助になり得たことを感謝します。

 深い愛を込めて、

ボブ・ドーニー

1998年8月10日

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 To The Members of the TIME Society

   Congratulations on your tenth anniversary.  It seems like only yesterday when I made my first trip to Japan.  Before that first visit I studied your culture and admired your devotion to work and study.  Little did I realize how much pleasure and satisfaction our relationship would give me.

   I still cannot speak a word of Japanese and yet we seem to communicate our innermost thoughts and desires.  I am proud of what you all have accomplished and the influence you have on others.

   Our Life Journey is always on uncharted waters we never know what the future has in store for us but we have learned how to discover our wants and needs.  We have developed life plans and goals and have learned how to achieve them.

   Life is good only when we make it good your work and examples can help others achieve satisfaction and fulfillment in their Life Journey.

   Our world is becoming smaller – we all need to learn how to live in harmony – help each other and do the work God created us to do.  Yes, we are our brothers’ keeper – and only when we help others achieve their goals, can we also find the happiness and joy we all need.

   Again, congratulations on your tenth anniversary and thank you for letting me be a small part of your success.

With Deep Affection

Bob Dorney

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